2017年の自分に決着をつける【短編小説編】

 この日記を初めて書いた日から約1年と半年が経過した未来からやってきました。

 この当時はネット投稿とブログを始めた時期で、日記を読むと得も言われぬ初々しさが漂っています。気恥ずかしさは言わずもがな、文面からは僅かな寂しさも感じます。執筆の孤独と向き合っていたのかもしれません。

 さて、2019年になって改めてブログについて問い直した結果、他愛もない日記はカテゴリー「一日一文」【終わりに】の一言、二言で代用できると判断しました。

 短編執筆当時の希薄な内容の日記を整理するために未来からやってきたということです。人知れず消してしまっても良かったのですが、この当時の記憶と記録はこの日記からしか得ることができません。

 そこに一定の希少性を見出し、消さずに、短編小説に関する日記5つ全てをこの日記1つにまとめることにしました。この時期から私自身の弱さが表面化してきた気がします。だから消してしまうと、何だか逃げているようで嫌でした。

 

 これからの未来において、この日記が誰の目に触れるかもわかりませんが、私の人生においてはきっと欠かせない一歩だった気がします。

 未来からやってきたという書き出しの設定は魔が差しました。

 

 

短編執筆経緯

 私は出版社投稿時代から小説執筆に対して色々と迷いがあって、作品の完成度という意味で納得のいくものがどうしてもできませんでした。それは努力不足が原因でもありますし、私生活とのバランスが難しかったこともあります。

 小説と正面から向き合い続ける覚悟が中途半端だった、と今では結論付けています。

 そういった状態を引きずりたくなかったため、出版社投稿を一度やめてネット投稿に主戦場を移すつもりでいました。ネット投稿であれば、読者の存在を認識できることからメリハリになると思ったのです。

 そこで取り組んだのが、この短編小説「あなたの背中は、私にはまだ遠すぎて」という作品でした。

 

 これは2019年現在の長編作品のヒロインでもある「榛名 俶」という女の子を主人公にした作品です。優秀な姉の影に隠れる自信のない学生が、憧れの姉の背中を追うきっかけとなる出来事を物語にしました。

1.人物理解を深めたかった

 長編に繋がる短編小説に取り組んだことは過去に1度もありませんでしたが、ネット投稿しようと思っていた長編の進捗が非常に悪く、気分を変える目的で短編に取り組むことにしたのです。

 出版社投稿時代からどうしても人物表現に納得したことがなくて、どうしたらもっとリアルに人物を描写できるのかと悩んでばかりいた中での1つの発見でした。

 最初は、長編作品の中で人物を描写できなければいけないから、そういった短編を書くのは回り道だとも思ったのですが、物語の中を生きる人物を描写することは頭で考える以上に多角的に見つめられる利点があるのではないかと思いました。

 文字数で言うなら2万文字程度の短い小説ですが、ヒロインを主人公に据えて物語をつくることで見えてきたものは間違いなくあったと記憶しています。

 また初めてのネット投稿作品にもなったので緊張を伴いましたが、あの投稿ボタンをクリックする瞬間に良い意味で吹っ切れることができたのも精神的な成長に繋がった気がします。

 

2.榛名俶は「春らしい」から

 榛名 俶(はるな しく)という名前は「春らしい」が由来です。何とも安直に聞えるかもしれませんが、私はとても気に入っています。

 現在、取り組んでいる長編作品でもこの名前を変更する予定はありません。

 最初は淑女の「淑(しゅく)」でしたが、少し捻って「俶(しく)」に変更した経緯があります。これなら姉の背中に隠れてしくしくと泣いている姿をイメージできて、且つ上品で清楚な点も字面から伝わるかもしれない、と期待が持てたのです。

 

 こうしたネーミングについては、プロアマ問わず純粋な発想力に依存するのでおもしろいなとよく思います。過去に観てきた作品でも印象深い名前というのはいくつか思い浮かびますし、いい加減な名前になってしまうと愛着も薄れてしまうんですよね。

 字面や響き、意味、呼びやすさなど様々な視点から吟味して決定します。ただあんまり凝りすぎても良くないので、榛名俶のように比較的直感で決まったものの方が意外と変わらず残ってくれるような気もします。

 

3.三幕構成を意識

 この短編小説は3つに分けて投稿しました。

 物語の構成には三幕構成の他に日本では起承転結が有名ですが、起承転結は物語を考える上であまりしっくりきていませんでした。とは言え、物語の分割方法の違いでしかないので、そこまで気にすることもありません。

 私自身は4つに分割して投稿するよりも3つの方が、序盤中盤終盤という考え方でわかりやすいという短絡的な理由です。

 そもそも今までの作品は、物語の構成なんて一切考えず、完全に感覚で書いていました。

 

 短編を書く上での課題として、物語の構成を初めて意識し、実際に三幕構成について調べたのです。

 三幕構成は「序盤→中盤1」「中盤1→中盤2」「中盤2→終盤」と言った感じで「→」の部分は引き。中盤がAパートとBパートに分かれていることから、三幕と言いながら物語は4分割になっている事実に困惑したものの、起承転結とは違って「引き」の設定が合理的に感じられました。

 ブログで語れるほど三幕構成について深く理解できたわけではないのですが、物語の構成を科学するという視点は非常に興味深く、今なお小説の書き方として私なりの考え方を一般化する上でも役に立っています。

 

 こうした経緯を経て、pixivに投稿するに至りました。

 しかし、結局、作品に対する中途半端な気持ちは消えず。この後の長編執筆から、私自身の中に芽生えた1つの悪癖と対峙することになります。今まで土の中に潜ったまま、表面化することはなかった自分自身の本質的な弱さが心をこれでもかと抉っていきます。

 

 

 短編小説の執筆経緯から終着までは以上になります。

 これでひとまず2017年の短編小説に関する日記に決着をつけました。

 私の日記は純粋な出来事を書き並べる内容というよりは、試行(思考)錯誤の記録なのであとから見直すことはどうにも向きません。読み手のエンタメとしても不完全ですし、成立する形を今もなお模索していますがなかなか見えてきません。本来であれば、こうした一面は隠すべきなのかもしれません。

 一見すると無駄なようなことに対してもずっと考え続けていて、それはそれは病的なくらいで嫌になるのですが、そんな自分と折り合う形としてブログが機能してくれているようにも思うんですよね。

 2017年の長編小説に関する日記も以下にまとめてあります。

【2017年長編小説Part.1】

【2017年長編小説Part.2】